ばあちゃんが亡くなった。
父から連絡があった1月4日、早朝。
劇場入りの前日。
悲しくて泣いても、どうすることもできなかった。
突然の死だった。
たまに具合が悪くなったりはしていたけど、入院したりもしてなかったし、まだまだ元気だと信じていた。
今年のお正月も変わりなく高知にいる孫たちと過ごしていたそうだ。3日に少し具合が悪くなって、診療所に行って、点滴をして、その夜は病院に泊まるということだったらしい。昼間は交代でおじさんやおばさんがついていたそうだけど、夜になって容態が悪くなり、あっという間に逝ってしまった。みんな駆けつけたけど、間に合わなかったときいた。ばあちゃんはひとりで旅立ってしまった。
ばあちゃんの家は高知県西土佐村。
最後の清流と言われる四万十川のほとり。山と川と田んぼに囲まれたとても素敵なところ。
子供の頃は毎年夏休みはばあちゃん家で過ごした。
でも大人になってからはあまり会いに行けなかった。
この前会ったとき、ばあちゃんはお小遣いをくれた。
もう大人なんだからいらないよ、もらえないよ、大丈夫だよ、と言った私に、どうしてもと言って握らせてくれた。別れ際にばあちゃんは泣いていた。「また会いにおいで」と泣いていた。私もなんだか知らないけど、泣いた。「また来るから」と約束したけど、それから会わないまま時が過ぎて、もう会えなくなってしまった。
公演の初日が、お葬式だった。
お葬式にも会いに行くことができなかった。
ばあちゃんは私の劇を見たことがない。公演のビデオは送ったけど生で見てもらうことはかなわなかった。
ちゃんと見守ってくれてるよ、そのぶん頑張ろう。なんて言い聞かせてみても、そんなことじゃなくて、ただ悲しいのだ。もう会えないことが、悲しくてさびしい。悔しい。
せめて
ばあちゃんのところから私の姿が見えるといいなと思う。
じいちゃんと一緒に、私のやってる劇を見てほしいなと思う。
……文字にできないけど、いっぱいの思いが、届きますように。
合掌。